2020年8月20日、さくらインターネットが運営する「さくらのクラウド」で“東京第2ゾーンを開設”と発表しました。
さくらのクラウドニュースによると、既存の東京第1ゾーンから数十キロ離れた場所に東京第2ゾーンを開設したとのことで、ネットワークの距離的遅延の問題の解決と、東京都内が大規模災害によってシステムダウンするリスク、このふたつの問題を回避することができるとしています。
東京第2ゾーンの場所は当然ながら明らかにされていませんが、多くのデータセンターが大手町や湾岸エリアに集中する東京エリアのデータセンター事情を考慮すると、東京第1ゾーンより数十キロ離れたデータセンターは耐災害対策の意味合いからも有効な手段となるでしょう。
金融機関は距離から管轄へ
あくまで参考情報ではあるのですが、金融機関などの極めてシビアな情報を置く法人では、ディザスタリカバリサイトの設置要件が「距離」から「電力会社の管轄」へと既に移行しています。
金融業界では、その昔、メインサイト、つまりプロダクション環境(本番環境)が置かれたデータセンターから60キロメートル離れた場所にディザスタリカバリサイトを設置しなければならない。とされてきました。その元となったのが金融情報システムセンター(FISC)の安全対策基準の提言となるのですが、その結果、多くの金融機関では東京多摩地区や千葉県印西市にあるデータセンターにディザスタリカバリサイトを構築してきました。しかし、2011年3月に発生した東日本大震災によって、「異なる電力会社の管轄内にディザスタリカバリサイトを設置するのが好ましい」と訂正された為、ディザスタリカバリサイトを東京電力管轄外のエリアに設置する動きが主流となっています。
選択肢が増えた「さくらのクラウド」
さくらのクラウドでは、東京ゾーンの他、北海道石狩市にあるデータセンターを活用した「石狩ゾーン」もあります。
レイテンシを限りなく低く抑えたサービスの高品質サイトと災害によるサービス停止のリスク考慮したサイト。この二つをうまく設計していく為の選択肢が増えた「さくらのクラウド」。
今後も引き続き注目していくサービスのひとつとなりそうです。