また、負担が増えるのか・・・・

という声が聞こえてきそうな今回の雇用保険の負担増。

既に、多くの報道機関でも「改正雇用保険法」の中身について、「雇用保険の「失業等給付」の保険料率が今年2022年の10月から、現在の0.2%から0.6%に大幅に引き上げられます。」と報じられていますので、その中身について詳しく見ていきます。

雇用保険とは?

雇用保険の中身

では、本題の雇用保険の中身を見てみると、雇用保険は、「失業等給付」と「育児休業給付」、そして、「雇用保険二事業」に分けて、それぞれ労働者負担と事業主負担として徴収されています。

以下、厚生労働省のHPに公開されている雇用保険料率のPDF(の一部)です。

「失業等給付」とは

「失業等給付」とは、その名の通り、労働者が失業した際に生活が困難になることを防ぎ、生活と雇用の安定を目的として、給付されるものです。

あまり知られていないようですが、実は失業等給付は4種類もあり、「求職者給付」、「就職促進給付」、「教育訓練給付」、「雇用継続給付」があります。

「育児休業給付」とは

「育児休業給付」とは、育児休業の取得を加速させるためにつくらた制度で、育児休業を取った場合、収入がまったくなくなってしまうのは大問題ですので、国が「育児休業給付」として生活資金を支給してくれるという制度です。

何かと男女平等、ジェンダーフリーと叫ばれている世の中ですが、「育児休業給付」の給付金対象期間は、父親と母親では支給期間が異なります。

母親の場合は、産後休業期間(産後8週間以内)の終了翌日から子供が1歳になる前日まで支給してもらうことができます。父親の場合は、子供が生まれた日から1歳になる前日までが支給期間となるそうです。

因みに令和4年10月からこちらの育児休業給付制度が変わることが決まっていますので、詳しい情報は、厚生労働省が「令和4年10月から育児休業給付制度が変わります|厚生労働省(外部リンク)」といった資料を公開していますので、以下の資料をご覧ください。

「雇用保険二事業」とは

最後に、「雇用保険二事業」とは、休業”した“人や転職”した人を支援する事業で、労働者に直接給付されるものではなく、従業員の雇用の安定やスキルアップ、転職者の受け入れをする企業を支援する制度となっています。

今回の改正雇用保険法で引き上げられる雇用保険料

今回、国会で成立した改正雇用保険法で引き上げられることが決まった雇用保険料ですが、具体的に何がどう引き上げられるのか?については、厚生労働省がわかりやすく「令和4年度雇用保険料率のご案内」という資料を公開してくれていますので、確認していくことにします。

それが、こちら。

赤文字で記載されている部分が今回の引き上げられた雇用保険料です。まず、引き上げの第一段階として、令和4年4月1日から事業主負担部分の「雇用保険二事業の保険料率」が3/1000から3.5/1000に引き上げられます。

この時点での労働者からの雇用保険の引き上げはありません。給与明細に反映されない事業者負担が引き上げられます。

そして、多くの皆さんが雇用保険料が引き上げられたことをすっかり忘れてしまっただろう令和4年10月1日から労働者負担部分を3/1000から5/1000に引き上げ、更に、事業者負担部分も当初の6/1000から8.5/1000に大幅に引き上げられます。。

4月の段階で一気に保険料を引き上げることはせずに、皆が忘れたころ合いを見計らって引き上げるところが、いやらしいですね。

サラリーマンをしていると、毎月支給される給与明細を確認することをせずに、銀行口座に振り込まれた金額だけを見ている人が多いかと思いますが、毎月振り込まれる給与について詳しく調べてみると、びっくりするほどの金額が給与が振り込まれる前に税金や保険料?(実際は税金)として天引きされていることがわかります。。。

しっかりと、税金や働き方について学び、少しでも手取りを増やす知識と対策を身につけていきたいものです。