8月14日に中国江蘇省蘇州で開催された「AIExpo2020蘇州」。日本国内のメディアではあまり詳しい情報が報道されていないようですが、AIの最先端をいく中国のAIExpoではどのような最新技術が発表され、どの程度のレベルまで開発され公表されているのか、非常に気になっていましたので、少し情報収集してみました。
今回のAIExpoのテーマ
今回のAIExpoのテーマは、「万物賦蘇・智啓未来」「万物は甦る―インテリジェンスの未来」。万物は甦る・・・、意味深な言葉ですね。
AIExpo2020蘇州の主催は、蘇州市政府と人工知能産業技術革新戦略アライアンス(AITISA)ですので、国家戦略の最重要項目として中国政府が力を入れていることとがわかります。
Xinhua Silk Road Information Serviceに挙がった記事によると、2019年蘇州のAI産業の生産額は685億元、前年度比20%増に達したと報じています。日本円に変換すると約1兆600億円という市場規模、、、の情報の正確性、真偽はさておいて急速に拡大していることがわかります。中国政府が積極的に注力している中国のAI産業、既に日本が追いつくことはできないと言われて久しい状況ですが、中国AI産業は今年も急成長し、市場は拡大を続けていることは間違いないでしょう。
もっとも話題を呼んだ3D視覚技術
さて、AIExpo2020蘇州で最も話題となったテクノロジーは、3D視覚技術だったようです。3D視覚技術とは、これまで二次元でしかデータとして得ることができなかったカメラからの情報を、3次元データとして出力できる技術です。
例えば、人の顔を非接触スキャンし、立体情報を得る、個人を特定する。道路を走る車を特定し、交通状況や事故の状況データを得て解析する。工場で生産された製品の立体情報を得て製品検査する。など様々な産業・分野で活用することができる技術です。
今回は、3Dカメラ―メーカーの的盧深視(Dilusense)のCEOが3Dカメラのスケールアプリケーションに関する講演を行ったということで大変話題になったようです。その他、SenceTime(センスタイム 商湯科技)の天眼による3Dカメラネットワークが話題になっています。※SenceTimeは、2017年に㈱本田技術研究所と5年間の共同研究快活契約を結び、ディープラーニングを用いた自動運転に関する研究開発(AIアルゴリズムとAIプログラム)を進めると発表している会社です。
また、今話題の華為(ファーウェイ、Huawei)もしかり、先日、自動運転タクシーの公道走行テストで人が操作しない完全自動運転である「レベル4」段階に突入した百度(バイドゥ、Baidu)なども大いに話題になったようです。
投資額の規模が日本と大きな開きがある中国AI企業の躍進がどこまで続くのか、米中の対立が今後どのように影響していくるのか、今年も注視していきたい分野です。