AWSがコンテナレジストリのパブリックレジストリサービスを数週間後に公開するそうです。最近の開発では、Docker利用をすることが前提になっていることなどから、Docker Hubとよばれている業界標準のパブリックレジストリの無料プランに回数制限などが設けられるようになり、AWSのサービスはどのようになるのか記事の内容を確認してみようと思います。

Docker Hubの無料プランの制限とは

Docker Hubは、下記の機能を無料で提供していました。

  • 誰でもコンテナイメージを公開できる
  • 誰でも公開されたイメージを取得(プル)できる

開発スタイルの変化と無料で誰でもコンテナを公開できるということで、様々なユーザが利用した結果、2020年8月にDocker社はDocker Hubが保存しているコンテナイメージの容量が15ペタバイトに達していることを明らかにしていました。また、このままで無料プランの継続が困難になるため、無料プランに以下の制限を加えることを発表していました。

  • 6カ月以上使われなかったコンテナイメージは削除する
  • アノニマスユーザーからのプルは1時間で100回まで
  • 認証済みユーザーからのプルは1時間に200回まで

1つ目の「6カ月以上使われなかったコンテナイメージは削除する」は、11月1日から開始予定でしたが、現段階では、保留されています。詳しくは、こちらを参照してください。

AWSの新サービスは?

現段階で発表されている内容は、以下の通りです。

AWS will deliver a new public container registry that will allow developers to share and deploy container images publicly. This new registry will allow developers to store, manage, share, and deploy container images for anyone to discover and download.

AWSは数週間以内に、デベロッパーがコンテナイメージをパブリックに共有できるパブリックコンテナレジストリサービスを提供する予定です。デベロッパーは、コンテナイメージを保存、管理、共有、デベロッパーすることができ、誰でもコンテナイメージを取得することができるようになります。

説明の内容を踏まえるとDocker Hubの無料プランと同等のことができそうです。

AWS customers will enjoy a smooth, dependable experience when working with public container images, and with pricing that provides additional value. A developer sharing public images on AWS will get 50 GB of free storage each month and will pay nominal charges after. Anyone who pulls images anonymously will get 500 GB of free data bandwidth each month after which they can sign up or sign in to an AWS account. Simply authenticating with an AWS account increases free data bandwidth up to 5 TB each month when pulling images from the internet. And finally, workloads running in AWS will get unlimited data bandwidth from any region when pulling publicly shared images hosted on AWS.

AWS上でパブリックイメージを共有するデベロッパーは毎月50GBの無料ストレージを利用可能で、それ以上はわずかな追加料金となります。アノニマスユーザーとしてコンテナイメージをプルする場合、毎月500GBの無料データ帯域幅が提供され、その後はAWSアカウントにサインアップまたはサインインが可能。AWSアカウントで認証することにより、無料データ帯域幅は毎月5TBまで増加します。そして、AWS上で稼働しているワークロードであればどのリージョンからであっても、AWS上でホストされているパブリックなイメージを帯域幅の制限なく取得できます。

これを見るとAWSへ開発者を引きつけるための一つの戦略のようですね。

他のパブリッククラウドベンダーは、現段階では動きがないようですが、Azure、GCPあたりがどのように動いていくかは注目していこうとおもいます。