過去に勤務するなどしていた企業から営業に関する秘密を不正に持ち出したとして去年一年間での検挙数が29件にのぼったと報道されています。

転職市場の広がりが背景に 会社の営業秘密不正持ち出し事件の摘発件数が過去最多 産業スパイの暗躍も(外部リンク)

営業リストや営業に関する具体的なデータは、企業の存続に直結する重要な情報である為、過去に勤めていた従業員に不正に持ち出され、他社でその情報をもとに営業をかけられたのでは、これまで企業が必死になって収集してきた情報、営業支援サービス等から高いお金を支払って購入したデータ、ノウハウ(もちろん利益率も)も、すべてが無駄になってしまいます。

営業情報に対しての意識が高まってきた背景

検挙数があがってきた背景には、営業情報に対する企業の意識の高まりや転職による人材の流動化増が背景にあると伝えられている一方で、産業スパイが関わっていた事件が1件あったと伝えています。

先日、弊社でも新規取引の与信調査を理由に、「取引先リスト」や「営業利益率」を提出しなければ取引ができませんと連絡してきた協力会社さんがいたのですが、「取引先リスト」と「営業利益率」は重要な営業情報であり、規模の小さなスタートアップやベンチャー企業の場合、取引先と利益率の情報を抜かれてしまえば、容易に商流を無視した営業をかけられ、マーケットを失ってしまう可能性がありますので、注意が必要です。

今回のケースでは特に情報や噂を得ていたという訳ではなかったのですが、新規でのお取引を始めるにあたり、慎重に対応する必要があると判断しましたので、丁寧にお断りさせて頂きました。

営業情報の取り扱い方は今後も検討が必要

営業情報の管理、(新規取引先や企業調査会社へ)公開しても良い情報に対するセキュリティ意識の向上、セキュリティ対策などは企業にとって非常に重要且つ必要不可欠なものです。

特にBANTCを含む営業データと取引が既にある企業とのビジネスの中身が把握できる営業データの取り扱いに対するセキュリティ対策はしっかりとした対策を導入しておくべきでしょう。

BANTCとは

BANTCとは、「Budget:予算」「Authority:決裁権」「Needs:必要性」「Timeframe:導入時期」「Competitor:競合」の頭文字をとったワードで、効率的に営業を行う上で最も重要な情報・参考となる指標のことです。

時間とコストがかかる話ではありますが、システム的な対策の他、営業データの取り扱いルールの作成や周知方法等々について、弊社でも検討を進めていこうと思います。

今日も一日頑張りましょう!