中国武漢で発生した新型コロナウイルスが世界中を駆け回り、未だ日本で感染拡大を続けるウイルスは、私達の生活を大きく変えてしまいました。当社でもテレワークが新しい働き方として定着し、オフィスに通っていた時は当たり前のことのようにやっていた打ち合わせも、すっかりビデオ会議が主流になりました。そこででてきたのが、皆さんご存じの中華性アプリ「Zoom」です。

Zoomの安全な使い方やZoomで指摘されているセキュリティ脆弱性の問題について以前の記事でもご紹介していますので、気になる方はそちらをご覧になって頂ければと思うのですが、今日ご紹介するのは、

先ほど中国政府が香港に対し制定した「香港国家安全法」という法律とZoom利用の安全性

についてです。

なぜ、Zoomと香港国家安全法が関係あるのか?

先に結論を書いておきます。私が気にしたのは、Zoomの設定₋統計情報 にあるデータセンター部分に書かれた

香港特別行政区(HK)にあるデータセンターを介してZoomグローバルネットワークに接続されています」 この部分です。

香港国家安全法とは

香港国家安全法とは、正式な名称を中華人民共和国香港特別行政区国家安全維持法(英: Law of the People’s Republic of China on Safeguarding National Security in the Hong Kong Special Administrative Region)といい、香港特別行政区における国家安全維持に関する法律制度と執行メカニズムを整備するための中華人民共和国の法律です。

この法律の細かい中身は様々な記事で取り上げられていますし、その内容について話をしてしまうと長くなってしまいそうですのでここでは割愛しますが、、簡単に言うと「中央政府・香港政府の意向に沿わないことを言ったり、計画したり、行動を起こしたりすれば、中国本土に連れていくこともあるし、無期懲役を科すこともできるからな。その対象は全世界な。」という法律です。

香港国家安全法 押さえておくべき3点

話をZoomに戻して、Zoomを利用する上で気をつけなければならない点をわかりやすく3点あげておきます。

  • 香港国家安全法は、これまで保護されてきた言論を刑事罰として刑を自由に科すことができるよう法律が広く網羅されている
  • 法の解釈を自由に変えることができるように曖昧につくられている
  • 法の適用が香港・中国本土以外にも及ぶ

これだけみると色々と無茶苦茶な内容が盛り込まれていそうな法律のように思えますが、、、香港国家安全法とはこんな内容の法律なのです。

香港国家安全法に潜むリスク

さて、話をZoomに戻し、ビジネス上でZoomを使う上でのリスクを考えていきます。

ビジネス上で香港国家安全法が定めるような中央・香港政府を非難する会話をすることはまずないと思うのですが、ビジネス上最も懸念しておかなければならないのが、「中国中央政府・香港政府によって強制的にミーティングの会話を盗聴されないだろうか?」という点です。

今のところ、Zoom社はこの点について特に何も発表していないようですが、これだけ拡大解釈が可能で、中央政府・香港政府の強制力がある法律が施行されてしまった香港では、香港国家安全法の名の元に何が行われるのか実際にはまったくわかないのが現状です。法の中身だけを見てみるとこの法律の名を騙れば、常識では考えられない活動が香港では自由に行うことができそうな内容ですので、事は以外と重大で、ビジネスで起こりうる最悪なケースを想定し、対策をとっておく必要があるように思えるのです。

もういちど、Zoomの画像を張り付けておきます。

仮に日本国内にいて自宅でテレワークをしていたとしても、ネットの中では香港を経由してつながっているということを改めて認識し、ビジネスを行う上で、懸念しておくべき点はしっかりと押さえ、リスクへの対策をとっておくことが重要ではないかと思います。

Zoomは非常に便利で、品質も良いアプリですので積極的に活用していくことで、ビジネス上のメリットも大きいと思いますので、Zoom社にはできれば、Gatewayとなっているデータセンターを日本国内に開設してもらえるともっと安全に安心して利用できるのではないかと思いますので、是非、検討して頂けたらと思います。

あ、、、これはあくまで個人的な感想ですので、ご参考程度の情報だと思って頂けると幸いです。

お疲れ様でした。