Section508とは

「Section508」とは、「リハビリテーション法第508条」「リハ法」と日本で呼ばれている米国の法律で、日本国内ではあまり馴染みのない法律ではあるのですが1968年に法がつくられ、何度か改正が重ねられてきた「情報への平等なアクセスを義務付けた」法律です。

米国では政府が調達を行う際の基準としてこの法律を守るよう義務付けています。

「リハビリテーション法第508条」と言われても正直ピンと来ない人も多いと思いますが、米国では電子機器やアプリ、ウェブサイトなどに対して、「(障碍者を含む)すべての人が電子機器やアプリなどの情報にアクセスできるようにしなければならない」「システムの設計と実装の段階から情報にアクセス可能にしておけ!」と政府が求めています💦

GoogleのSection508への対応

Googleが提供しているウェブブラウザChromeではChrome85以降のChromeブラウザにおいて、「Section508への対応の一環としてウェブページをpdfに印刷する際、自動的にタグ付きpdfを生成する機能をリリースする」とChromeアクセスビリティテクニカルリードのドミニク・マッゾーニさんがChromeブログで2020年7月29日に発表しています。

ドミニクさんはブログの中で、タグ付きPDFをリリースすることで、見出し・リスト・表・段落・画像・そして、ドキュメントの構造に関するメタデータを生成できるようになることで、視覚障碍者など障害をもつユーザーにとってより情報へアクセスしやすくなると書いています。

今後、日本においても同様の法律が立法される可能性は多いにあるかと思いますし、また、Googleの検索エンジンがウェブサイトの評価のひとつの指標として導入してくるかもしれませんので、時折その動向を注視してみるのも悪くないかと思います。

Chrome タグ付きPDF機能

Chromeのタグ付きPDF機能については、以下にて試験運用版がリリースされています。気になる方は是非使ってみてください。

chrome://flags/#export-tagged-pdf