「ターゲティング広告」とう言葉を聞いたことがありますか?
スマートフォンの保有率が6割を超えている日本では多くの方が毎日ネットに接続し暮らしていますので、「ターゲティング広告」という言葉を一度は聞いたことがあるという方も大勢いらっしゃると思います。
ターゲティング広告とは
ターゲティング広告とは、スマホやPC・タブレットの所有者が検索したキーワードやウェブサイトへのアクセス履歴などの情報を収集し分析した上で、そのユーザーにとって最適な広告を配信するという仕組みをもつ広告のことです。利用するユーザー(スマホ等の所有者)は、自分自身の興味がある、もしくは興味に近い広告が配信される為に無駄のない情報に触れるメリットがあります。一方で、広告を配信する為の個人の行動履歴がバックエンドで収集されることになり、ある特定の企業に個人の趣向や思考に関する情報を握られることになります。
App privacy labels now live on the App Store
Appleが開発者向けページで発表した「App privacy labels now live on the App Store」は、ユーザーの許可なくアプリが個人情報を収集することに対し、ユーザーの許可を求める「プライバシーラベル」を表示させるといった内容の発表でした。
具体的には、App Storeでアプリをダウンロードする前に、ユーザーがアプリにアクセス履歴などのプライバシーに関する情報の収集が行われていることの確認が必要になりました。アプリの提供者は、ユーザーに「どのような種類のデータが収集されているのか」「データの取り扱い方法」「収集されたデータがどのように使用される可能性があるのか」をユーザーに伝えなければならなくなったということになります。
これまでは、アプリ提供側のデータの利用に関して伝える必要がなく、バックグランドでデータを収集できる環境だったことを考えると、消費者サイドのメリットが大きいので当然の変更のようにも思えますが、今回のAppleの発表に対し、先にご紹介しましたターゲティング広告を配信する広告会社サイドからの批判があがっているようです。
IDFA (Identifier for Advertisers)
IDFAとはIdentifier for Advertisersの略で、Apple社がiPhoneなどの端末に割り当てたデバイスIDのことです。ターゲティング広告の配信を行う広告会社は、このIDFAをアプリ内のユーザーの行動履歴を収集することで、ユーザーの趣向・思考を分析し、ユーザーが好む広告の判別を行い、ターゲティング広告の配信を実現してきました。
これまではIDFAは、個人のユーザーデータを匿名化し、ユーザーのプライバシーを尊重することができるとされてきましたが、今回のAppleの処置によりIDFAの認識が今後大きく変わっていくかもしれません。Appleは今回はプライバシーラベルの表示にとどめましたが今後は、IDFAのアプリの使用方法に大きなルール変更を予定しているのかもしれません。