米国の技術系ニュースサイト「ザ・ヴァージ(The Verge)」が、”世界中のGoogle労働者がAlphabetに説明責任を負わせる為の国際組織(労働組合)を米国・英国・スイスを含む10か国の労働者を代表とする13の組合で構成したと報じました。(以下、Twitter)

Parul Koul氏の声明

The Vergeによると代表のParul Koul氏は「That is why it is so important to unite with workers in other countries. In a world where inequality is tearing apart, our societies and corporations are hoarding more influence than ever, reclaiming our power through our unions has never been more important.」と述べたとのこと。

Googleが社会に対して持つ影響力ははるかに大きいので組合を通じて一致団結し、労働者達がその力を取り戻す必要があるというようなことを言っているようです。

Googleの経営陣に疑念を抱く労働者

Googleの従業員によるこのような動きの背景には一体何があるのか?少し気になったので調べてみると”Alphabet Workers Union”のサイトがあり、ここでOur missionについて説明されていたので、簡単にご紹介します。

alphabet workers union our mission

長文なので、気になるポイントだけ掻い摘んでご紹介すると「Alphabet(Google)の労働者が働く職場やサービスは、嫌がらせ・差別・偏見・報復の場ではありません。」といった一文があります。

具体的な指摘は一切書いていないのでここからは勝手な推測になりますが、Alphabetが提供しているYoutubeなどのサービスで米国の大統領選挙に絡む動画の規制などを激しく行ったことへの不信感が見えてくる内容となっています。

そういえば、米ツイッター社がトランプ大統領のツイッターアカウントの永久凍結を決定した際に、いち早くドイツのメルケル首相が「意見表現の自由を制限する行為は法に基づくべきだと」と同社を批判するコメントを出していました。もしかすると同じような批判の声が同社の中からも出ているのかもしれません。

消えた共同声明

日本時間2021年1月25日の時点では、UNIglobalのサイトで公開されていた「AWUの共同声明」が消えてなくなっていました。UNIGlobalのトップページに掲載されている記事からも、The Vergeの記事に張られたリンクをたどってもPage not foundになってしまいます。

強まるGAFA規制

2020年12月15日に欧州連合(EU)がテック系企業が欧州でビジネスを行うための厳格なルールを定めた法案を発表しました。これは、GAFAの持つ「大きな影響力」を抑制することが狙いですが、今後は個人データを抽出し続ける追跡広告等のサービスへの批判の他、GAFAによる言論に対する統制についても大きく規制が入る可能性があるかもしれません